また5日ほど間が空きましたが、続きです。
【9月24日 月曜日 北京・晴れ】 7時30分頃起床。 ちょっと眠いけど西安までの切符を買わなければならないので早起き。 北京駅へ。 朝の北京駅。 中国の列車の乗り方はちょっと特殊。 日本の感覚だと絶対に乗れない。 中国の列車は全席指定。 すべて窓口にて購入です。 席は値段がたかい順に 軟臥 硬臥 軟座 硬座 があります。 臥っていうのが寝台。座というのが普通の座席。 軟臥…一部屋に2段ベッドが2つの4人部屋。一等寝台。 硬臥…一部屋に3段ベッドが2つの6人部屋。 軟座…日本でいうグリーン車。最新車両はリクライニングシートとかで快適っぽい。 硬座…背もたれが垂直でガッチガチ。飛行機でエコノミー症候群とか言ってらんない。 駅には切符売り場が併設されてあって、そこで買うことになります。 時刻表を見ながら自分の乗りたい列車をピックアップして窓口の職員に告げ、購入。 という流れ。 切符売り場。 ところが、切符売り場は慢性的に混んでます。 いくつも窓口があるけれどもどこも長蛇の列。 そして彼ら中国人は列に並んで待つというのが大嫌い。 とにかく横から割り込むわ、割り込むわ。 この辺のモラルは本っっっっっ当に低い。 一応、外国人専用窓口もあるけれど、全く意味をなしていない。 全員現地人。 窓口の職員はほとんど英語は喋れない。外国人窓口の人も例外ではない。 中国語でまくしたててきます。こっちが全く聞き取れないそぶりを見せてても、英語で話そうとするそぶりを見せても全くおかまいなく、容赦ない中国語を浴びせられる。 しばらく意志疎通が出来なくなるとキレ始める。 だいたいどこの窓口の人もこんな感じでした(笑) そこで日本人の我々は、漢字を使って筆談をせざるをえなくなります。 漢字が読める、書ける、というのは結構な強み。 英語のアナウンスがかなり少ない国だけに、他の国の人たちに比べたら日本人は少し楽かも。 こうやって。 「9月25日 T42 北京西→西安 軟臥 或 硬臥 2張」 北京ー西安間は12、3時間ほどかかるから座りはきついということで寝台に絞ることに。 「或」というのは読んで字の如く、あるいは、もしくは、という意味。 「張」というのは「枚」のこと。 けれどどうやら、売り切れ。 ほかの西安行きの列車を探したけれどどれも売り切れ。 相談して洛陽に先に行って、それから西安に行くことに。 洛陽は田舎だから空きもあるんじゃないか、ということで。 案の定、無事ゲット。 さて、洛陽に行く目処が立ったのでこの日のお目当て、紫禁城へ。 駅前。 吉野家は中国でも人気らしく、どこにいってもあった。もちろんマクドナルドも。 駅から20〜30分ほど歩く。 すると。。 天安門ーーーー!!! 主席ーーーー!!! 毛先生の下で立ちんぼの兵隊さん。 みんなにガシガシ撮られてました。 いやしかしここに来ると、北京に来たんだなーって思いますよ、やっぱり。 紫禁城の歴史は、元の時代までさかのぼれます。 元は大都、今の北京に都を置いて、この紫禁城の辺りを本拠地にしていたそうです。 その後、明の時代に有名な永楽帝がここに入り、大幅な改修を加えて、紫禁城の原型ができました。 けれど、明末期、李自成の乱で紫禁城は壊滅。焼き払われてしまったんだけど、清の時代になって、礎石や土台が残っていた紫禁城を今の形に建て直したそうです。 英語名を「Forbidden City」 カッコイイ。 さて中に入っていきます。 どこかの民族の人たち。 なにか演奏でもするのか、その前のミーティングぽかった。 清の皇帝のコスプレをする人。 黄色は皇帝の色。 当時は皇帝以外の人が黄色いものを身にまとうことは禁止されていました。 というか、そもそも、紫禁城の奥にある一角(皇帝の住居)には、皇帝以外の男は進入禁止。 お世話をする女の人のみ入れる区画があったようです。ここに住むことが出来る男性は皇帝のみ。皇族であっても住むことはできなかったのです。 メインの太和殿は北京五輪にむけて改修中。 落胆せず、まあ、こういう光景もなかなか見れるもんじゃない、というプラス思考で行くことが旅には大切かと。 注意深く観察していると建物の屋根の上に動物がいるのが分かります。 これは魔除けという呪術的な意味もあるけれど、動物の数で、その建物の格を表しているそうです。 これは紫禁城でももっとも動物が多く乗っている=もっとも格が高い建物というわけ。 とっても広大なこの宮殿は、迷路のよう。 写真いっぱい撮ったけどどれがどこの写真か忘れた(笑) こうして史跡を訪ねて、昔のことをボーッと想像してるのが僕にとって一番幸せな時間。 道、格好良いんだけど全部同じ作りだから本当、迷う。 九龍壁。 ここに入るには珍宝館のチケットが必要。 かわいい。 なんか自分によく似たヤツを踏みつぶしてるけど大丈夫でしょうか。 演劇の舞台。3階建て。舞台裏はなんかカラクリ小屋みたいな仕掛けでいっぱいだったんだとか。 この向かいに皇帝専用の観覧席があります。 さて。 ここで事件は起きました。 この少し奥に行ったところ。 なんか小さな中庭があります。 紫禁城スタッフと思われる(水色のユニフォームを着てる)人たちがいて、建物の中に観光客を呼び込んでいました。 「ミルダケ、ミルダケ」 と片言の日本語を使う人も。 どうせ、なんかお土産でも売る気だろう、とスルーしてましたが、ひとりの好感を持てそうな青年が流暢な日本語で話しかけてきたのです。 「今日はラストエンペラー溥儀の甥がいらっしゃってるんです。是非見ていってください」 普通の人なら、 「あっそ」 で済ますでしょう。 「怪しすぎるだろ」 と思うでしょう。 けれど、僕には 血統属性がついているのだ。 血統についての話にめちゃくちゃ弱い。 そんな、皇帝の血筋の人のことを聞いて冷静でいられるわけが無い。 のこのこついて行く僕。 そのスタッフの溥儀の甥についての話を列挙してみよう。 ●中国で著名な書道家。 ●オークションに出すと8万円からスタート。 ●週に2、3回ボランティアでここにやってくる。 ●今日は特別2万円で書いてあげるよ。 …………。 ……怪しい。 怪しすぎるぜ、溥儀の甥 そんな詐欺まがいの商売には騙されんぜ! 日本人をなめるなよ?! (((( ;゚Д゚)))) 騙されてる! まあ、そういうわけで、冷静でいられなかった僕はまんまと、字を書いて頂きました。 左が甥。 まあ、ね。 溥儀に似てないこともない気もする。 部屋の中に溥儀一家の写真が。 真ん中の青丸が溥儀。 左上の赤丸のひとが甥。 んー。 似てなくもないが、判然し難い。 この真贋を確かめるべく、淡い期待とともに帰国後ググってみた。 すると……。 ちょwwwwwwww 甥、大杉wwwwww いろんな人がブログの故宮を訪れたという記事で、この甥について触れているけど、全員違う人(笑) みんな眼鏡かけているのもなんだか恣意的。 この甥についての見解だけど、本当に甥かどうかは分かりません。 甥だ、とも言い切れないし、甥ではなく全くの偽物とも断定できない。 甥ってつまり溥儀の兄弟の子、というわけで、まあ結構いるわけです。皇族だから。 しかも中国の場合、甥には従兄弟の子も含まれることもあるらしいから、甥である可能性も全然ある。 ちなみに溥儀自身には子供はいません。 溥儀は奥さんがトータルで三人くらいいたということですが、最初の正室はアヘン中毒でラリッちゃってるし、それ以前に彼には男色の傾向があったり、生殖不能説もあるので。。。 まあともかく書いてもらいました。 普通、一文字2万から3万とってるっぽいんだけど、少し交渉して、学生割引みたいなことになって2文字、1万5千円で。 それでも高い。 まあ、溥儀の甥というのが本当なら自分にとっては良い思い出になるので、と決断しました。 で、書いてもらう字を自由に決めることが出来るんだけど、自分の「克也」という名前の「克」という字を使って、なにか熟語を書いてください、とお願いしました。 すると甥はなんか辞書のようなものをパラパラ。 「克勤」というのはどうだ、と言ってきました。 孔子の随一の弟子、顔子(顔回)の言葉だそうです。 意味は、「向上心を持って仕事に打ち込む」みたいな感じらしい。 これから就職するので、それはピッタリだ、ということで「克勤」と書いてもらうことにしました。 それが上の写真です。 まあ、なんか、フツーの楷書ですよね。。 素人目にはウマいけど、どうなんだろ、実際のところ。 面白いのは、数ある甥たち、ひとりひとり書のスタイルが違うってこと。そこはちゃんと誇り持ってやってんのかな。 けどまあ、故宮という地で、オフィシャルにこういう商売してるからすごい国だ。。。 さて溥儀の甥にサヨナラして、紫禁城の最も北にある御花園だとかいう庭へ。 ここはすごく綺麗でした。 いかにも中国〜みたいな岩とかあって。 これなんかね。 紫禁城を出た頃にはもう日は傾き始めてました。 このあとどうすっかなー、とりあえず北の山にでも登るかー、と相談。 この山のこと。 紫禁城出て道はさんだとこにあります。 名前は景山といって、実は人工の山。 紫禁城の堀を掘った時にたまった土を盛り上げて山にしたそうな。 今は一体を公園にしていて、上まで行けば紫禁城を一望できます。 明の崇禎帝が李自成軍に攻められたとき首吊り自殺をした槐の木があったりもするらしくこりゃいってみたい。 とか公園のチケット売り場の前でウダウダ言ってたら、タクシーの運転手がわらわら。 普通のタクシーの客引きも入れば、ぼろっちい三輪自転車タクシーのおっさんも。 「胡同に行く」 と三輪タクシーのおっさんは言ってて、胡同、ちょっと興味があったから値段交渉開始。 こういう観光地にいる怪しいおっさんのがむしろ英語とか喋れるのでなんとか話ができる。 30分30元まで落として(でも高いけど)乗ることに。 胡同というのは元が大都(北京)に遷都した時に規定された道の幅の内、もっとも細い道のこと。 古い町並みをずーっと残して現在に伝えている。中には築500年くらいのものなんかもあって古き良き北京、みたいなのがよく分かります。 僕がなんで胡同なんてのを知ってたかというと、いつか見た新聞の記事に、北京五輪のための街の再開発のために胡同が消えつつあるという記事があってそれがずーっと頭に残ってたから。 こういう人力車みたいなのに乗っけられます。 家の守り神かな。 こういう細い路地をすすみます。 ちょっと大通りからそれてみればこうした街がいたるところにあるから凄い。 昔ながらの街の保存と再開発に揺れる北京が垣間見えました。 あといっぱい野良犬か飼い犬か分からない犬がゴロゴロしてた。 食われるのかな、こいつら。 この自転車のおじさん、なんかいろいろ説明してくれたりタバコくれたり、いいヤツだなーって思ってたら、30分後、 「30分たった」 とか言って自転車をとめる。それもすげーどうしようもないところで。 貧民街のど真ん中みたいなとこでそんなこと言われても、もう少し運んでもらわないと困る。 なのでまた値段交渉して、最寄りの駅まで行ってもらうことに。 けれど、駅に着く前にまた 「30分」 と、自転車をとめる。 いい加減ぶん殴りたかった。 結局全部で75元を要求。 払えないといっても食い下がるので、面倒くさくなって75元支払い、胡同観光は終了。 紫禁城を囲むように環状線になっている地下鉄に乗って、天安門広場の方へ。 駅に着いた頃にはもう暗くなってて、この日の宿を探すことに。 20時ころ、遠東ユースホステルというところに着く。 結構必死で英語を喋り、チェックイン。 なんか緊張してめっちゃ「地球の歩き方」握りしめてたのがゆっきーに笑われて、写真まで撮られた。 この日の部屋は6人部屋のドミトリー。 僕たちが部屋に入ると、ひとりの金髪の女の子が寝てて、ドキドキ。 起きてきたので話をすると、なんとイスラエルの娘ですって。 その娘曰く、この部屋には日本人が一人いるとのこと。 はじめての日本人。 とりあえずお腹が空いたので、ご飯を食べに外へ。 北京に来たら北京ダックを食べようと決めてたので北京ダック屋に。 これがなかなか美味しくて、一羽分で800円くらい。 十分お腹いっぱい。 食べ終わったあと、ナイロン袋につまった北京ダックの使わなかった分がまるまるドーンと渡されました。 まだまだ食べれるとがいっぱいついてるから、きっと北京ダックを頼んだ人はそれを持ち帰って出汁にしたり食べたりするんでしょう。 僕たちもそうしたかったけど、無理なので置いて帰りました。 んで。 部屋に帰ってみると、さっきのイスラエルのお姉さん、白人の男の子、そして日本人がいました。 その日本の方は僕らとそんなに歳離れてなさそうだったけど、すでに働いてて、5日間だけ休みをとって一人で来たんだという。 次の日にはもう帰るんだ、と言ってました。 少しそこでみんなとお喋りしたり、シャワー浴びたりして、ホテル内を散策していると、このホテルから万里の長城ツアーが出てるのを発見。 万里の長城は一番近くて有名な八達嶺長城でもかなり遠く、バスがいっぱいでてるとはいえ、ツアーがあるならそっちのがお得だということで参加することに。 万里の長城と明の十三陵、それからお昼ご飯なんかをひっくるめたまる一日のツアーで英語でガイドもしてくれる。 というわけで、次回は万里の長城編です。 ではまた。
by jai-guru-deva
| 2007-10-11 03:49
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