10分じゃ分からないTHE BEATLES その5。


『Abbey Road』1969年
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1. Come Together ジョン
2. Something ジョージ
3. Maxwell's Silver Hammer ポール
4. Oh! Darling ポール
5. Octopus's Garden リンゴ
6. I Want You (She's So Heavy) ジョン
7. Here Comes the Sun ジョージ
8. Because ジョン
9. You Never Give Me Your Money ポール
10. Sun King ジョン
11. Mean Mr. Mustard ジョン
12. Polythene Pam ジョン
13. She Came in Through the Bathroom Window ポール
14. Golden Slumbers ポール
15. Carry That Weight ポール
16. The End ポール
17. Her Majesty ポール

【全体を通して】★★★★☆
オリジナルのリリースとしては次の『Let It Be』のほうが遅く、最後のアルバムは『Let It Be』ということになっているが、録音自体は『Abbey Road』の方が遅く、ビートルズによる事実上最後のアルバム。
『Let It Be』録音時点でメンバー間の仲、連携が破滅し、ビートルズとしての活動がもう無理になっていた状況の中、ポールの「昔のように、昔のようなやりかたで」という希望をプロデューサーのジョージ・マーティンに打診し、「本当に昔のように出来るのならば」ということで作られた作品。
ビートルズとしての活動に嫌気がさし、個人的な活動に移行していたジョン、ジョージ。
なんとかビートルズとしてやっていきたいという希望を持っていたリンゴ。
そして、もう解散は避けられないと理解しながらも、ビートルズの最後を作り上げたかったポール。
4人はいずれも「これで最後」という意識を持ち、それぞれの持てる才能を発揮した楽曲を提供した。
『Let It Be』の録音では、終始ギスギスし、喧嘩がたえなかったが、この作品の録音は、和やかではないものの、淡々とそれぞれがそれぞれの役割を果たし、その結果、「サージェントペパーズ」や「ホワイトアルバム」を越える最高傑作と呼ばれる作品が出来上がった。

全体を通して、このアルバムを覆う雰囲気は冷たく、そこにはやはり当時のメンバーの関係が現れているように思える。
このアルバムを指し「生命力がない、死んだようなアルバム」と言ったジョン。
「(Come Togetherで)もうジョンとはうまくハモることが出来なくなっていた」と言ったポール。
そういった悲しさが雰囲気としてこのアルバム全体に重くのしかかっている。
しかし上手くハモれなかったとしても「Come Together」はとてつもなくカッコイイし、「Something」「Here Comes the Sun」はジョージがポール、ジョンの才能の前でも霞むこと無く、むしろこのアルバムで最も際立った名曲となっている。そして「You Never Give Me Your Money」から「The End」までの畳み掛けるようなメドレーは、走馬灯のようにビートルズの活動を思い起こさせ、涙が込み上げてくるほど切なく、しかし楽しくもある。
ビートルズ最後の作品として、センチメンタルな気持ちを捨てて、単純にビートルズの楽曲としてこれを聴こうとしても、どうしても僕にはできない。
これを最後に4人がスタジオに集まることは、ジョンとジョージの死によって永久になくなった。こんなことを考えながら聴いても仕方がないんだけど、どうしてもそういうことが頭をよぎってしまう。
そんなわけで、このアルバムは僕をとても落ち込ませるので、☆4つということになっています。
あと、初期や中期のころのように派手な曲や壮大な曲がないのも事実。そしてそういうところも冷たく暗い雰囲気を作りだしているひとつの要因ともいえるだろう。
最後が「The End」というタイトルもビートルズの終焉を示唆していて感慨深い。そしてそれでは終わらず、サプライズ的に始まる「Her Majesty」(レコードにはクレジットされていない)は皮肉たっぷりのビートルズらしいのと同時に、これから続いていくビートルズ神話を象徴するかのよう。事実上は解散し、二度と集まることのなかったビートルズだが、人々の心に永遠に残るビートルズというものを示唆しているように感じる。


【オススメ曲】

「Come Together」
ジョン作のロックナンバー。
軽快なロックというよりは、どこかくぐもったような印象の曲。この後のジョンのソロ曲へとつながっていく音だと思う。
ポールが言っているように、やはり、コーラスは中途半端な印象を与え、完成度は低く、往年のビートルズのようにはいっていない。

「Something」
ジョージの代表曲。
やはりジョージのバラードらしく、情緒的な歌詞とメロディが特徴。
濡れたようなギターの音は、切れのいいジョンのギターとはまた違った趣がある。

「Maxwell's Silver Hammer」
ポール作。
ポールの特徴である物語調の歌詞。軽快な音とハンマーの音なんかで明るい印象の曲だけど、内容はホラー。マックスウェル・エディスンという名前の医学生がジョウンという名前の化学実験が趣味のちょっと変わった女性を「映画を観に行かないか」と誘って、銀のトンカチで撲殺するという所からはじまり、続いて自分が授業をサボっていたことを咎めた教授を撲殺、警官に捕まり、裁判にかけられたマックスウェルは自分の事件の裁判長をも撲殺。連続殺人の歌になっている。
ポールは平気でこういうことをやるけど、僕はそういうところが好きです。

「Oh! Darling」
順当なロック、歌詞ともにジョン的だが、ポールの作。
やはりビートルズらしい「ギュウン、ギュン」というギターが聴ける。
レコーディングに手こずったポールは「昔ならこんなのあっという間にできたはずだ」とぼやき、ジョンは「俺に歌わせればもっといい曲になった」と言っている。

「Octopus's Garden」
リンゴ作。
作曲はジョージが多くを手伝っている。
このアルバムでも最も能天気な雰囲気の曲で、明るく楽しい。リンゴの性格、ビートルズの中での彼のスタンスが窺い知れる。
この頃には珍しく、メンバー全員がレコーディングに参加していることからも、リンゴの存在というのが当時のギスギスした人間関係の中で重要な役割を果たしていたことは分かる。
間奏中、海の中を表現した「ぷくぷくぷく…」という音はジョンがコップの水をストローで吹いて作った音。
余談だが、オアシスがライブで「Whatever」を演奏する際、ノエルがメインボーカルを務める時は曲の最後に「I'd like to be under the sea In an octopus' garden in the shade」と歌詞を入れて歌っていたことがある。

「Here Comes the Sun」
ジョージ。
僕がジョージの中で一番好きな曲。
録音に嫌気がさし、エリック・クラプトンの家に遊びに行った時、春の日差しを感じたとき、すらすらと頭に流れて来たらしい。
これからの季節にピッタリな美しい曲。

「You Never Give Me Your Money〜The End」
ここからがメドレー。
「You Never Give Me Your Money」はポールがビートルズが興したアップル社が財政破綻しつつあった状況を歌う切実な内容で重め。メロディ的にはそういうことは特には感じさせないけれど。
「Sun King」はジョンの作で、ほとんどインストゥのような曲だが、わずかに囁くように意味不明のことを歌っている。これはスペイン語らしい。
「Mean Mr. Mustard」もジョン。ホームレスのマスタードさんのお話。
「Polythene Pam」もジョンで、この話の主人公「Pam」はマスタードさんの妹という設定で「Mean Mr. Mustard」の続編。
「She Came in Through the Bathroom Window」はポール作。ポールの家が空き巣に入られた体験を元に書かれた。その空き巣は女性で、しかも風呂場の窓から侵入していたらしい。
「Golden Slumbers」もポール。もともとあった子守唄にポールが手を加えた。悲しくも盛り上がって行く曲調がメドレーの終焉を予感させる。
「Carry That Weight」もポール。「Golden Slumbers」からの盛り上がりが最高潮に達し、メドレーのクライマックスを迎える。メンバー全員がボーカルをとっている。
内容的には、解散後の自分たちが、一生ビートルズという荷を背負い続けなければならない、というポールの自分を含めたメンバー全員へのメッセージ。
「The End」もポール。事実上ビートルズ最後の曲。そしてビートルズからの最後のメッセージ。
「And in the end
 The love you take
 Is equal to the love you make」
「結局最後には
 あなた自身が与えた愛と
 同じだけの愛を、あなたは得ることになる。」

「Her Majesty」
ポール作。
ビートルズ公式発表曲中最も短いわずか23秒の曲。
もともとはメドレーに入れるために作られ、「Mean Mr. Mustard」と「Polythene Pam」の間に入れられる予定だった。この曲の最初の「ジャーン」という音は「Mean Mr. Mustard」の最後の一音で、「Polythene Pam」の最初の一音は、この曲にあった最後のギター・コードと同じ。
「Mean Mr. Mustard」と「Polythene Pam」はメドレーの中でも一度、音がきれ、不自然なつながり方をしているのはこのため。
その後ポールの判断でカットされ、メドレーには入らなかった。しかしなぜか、最後にくっつけられて残った。これは「ビートルズが録音したものは何でも残しておくこと」というジョージ・マーティンの指示があったためと言われ、それをきいたメンバーが面白がったため残ったようだ。
内容は女王陛下を口説き自分のものにする、という不遜なもの。「Her Majesty」というのは女王陛下を呼ぶときの婉曲表現。


『Let It Be』1970年
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1. Two Of Us ポール
2. Dig A Pony ジョン
3. Across The Universe ジョン
4. I Me Mine ジョージ
5. Dig It レノン・マッカートニー ジョージ リンゴ
6. Let It Be ポール
7. Maggie Mae (アレンジ)レノン・マッカートニー ジョージ リンゴ
8. I've Got A Feeling レノン・マッカートニー
9. One After 909 ジョン
10. The Long And Winding Road ポール
11. For You Blue ジョージ
12. Get Back ポール

【全体を通して】★★★★☆
1969年、バンド結成時の自分たちに戻ろう、つまり「ゲット・バック」というコンセプトの元に行われた「ゲットバック・セッション」の風景を追った同名ドキュメンタリー映画のサントラ盤としてリリースされた。アップルビルの屋上で行われたシークレットライブの音源を取り入れたあったり、ファーストアルバム以来となるスタジオライブ形式をとった録音方法からは、シンプルで初期ビートルズのようなロックが聴ける。他方、このアルバムでプロデューサー・フィルスペクターによる演出が、過度であるという批判が常に憑いて回ってもいる。
その最たるものが「The Long And Winding Road」で、もともとはアコースティック作品だったものを、フィルがオーケストラを入れ、壮大に仕上げている。ポールはこれに対し、曲を台無しにされたと憤慨していて、自身のライブでは必ずアコースティックバージョンで行う。
しかしジョンとジョージは、バンド解散寸前の散漫なセッション録音集を一作品として短期間のうちにまとめ上げた手腕を評価していて、その後の自分たちのソロアルバムにもプロデューサーとして迎えている。
ちなみに2003年、フィルは自宅で女優を銃殺し逮捕されている。

そんなフィルの持ち味であるオーバーダビングの手法によってできたこの作品は賛否両論あったため、2003年、フィルの影響を消し、『Let It Be』をマスターテープからリミックスし、当初計画されていた形で『Let It Be... Naked』として再リリースされた。
僕個人的には聞き慣れた『Let It Be』のほうが好きで、「The Long And Winding Road」にしてもフィルプロデュースの壮大な感じのが好き。曲の前後にシークレットライブのときのメンバーの会話が入れられてある編集なんかも好きなのでこの『Let It Be』を推します。

この当時のメンバーの状態はとてもヒドく、その様子は映画「Let It Be」でも窺うことが出来る。
例えば、ジョージの「I Me Mine」は、ビートルズ内で独善的、支配的になっていくポールへの当てつけのような曲で、この曲のレコーディング中もギタープレイを巡ってポールとジョージは口論し、決定的に対立してしまう。また、ジョンが連れて来た「部外者」ヨーコに対し、ポールは苦々しく思っていて、ジョンとポールの間もギクシャクして行く。
そんなトゲトゲしい関係は作品の雰囲気にも現れているようで、サウンドや手法はたしかにコンセプト通り原点に立ち返ろうとしているが、初期の頃のような無邪気な楽しさは無いように思える。

【オススメ曲】
「Two Of Us」
ポール。
最初に
「I dig a pigmy by Charles Hawtrey on the Deaf Aids.
Phase one in which Doris gets her oats」
とナレーションが入る。対訳によれば、
「聾者協会のチャールズ・ホールトリーの"I Dig A Pygmy"です!
(笑い)場面1:ドリスはカラス麦を手に入れます」
ということですが、意味はよく分かりません。
そして分かる意味もない。よくあるジョン一流のジョーク。
聾者協会、ということで障害者をよくネタにするジョン(話のネタにするのは決して差別ではなく、見て見ぬ振りをするほうがよっぽど差別だ、というのがジョンの解釈)らしいジョークだと受け取っとけばいいと思う。
詳しくは教えて!gooにこの部分のやりとりがあります。

曲調はカントリーよりで、少し悲しく、歌詞も

「僕と君の思い出は
前にずっと伸びる道よりも長い

僕たち二人合羽を羽織り
太陽の下に佇む
僕と君、紙を追いかけて
何処にも辿り着かない
僕たちは帰り道
僕たちは帰り道
帰るんだ」

と、なんだかビートルズの終焉を感じさせる。
ちなみに最後の口笛はジョン。

「Dig A Pony」
ジョンによるロックンロールナンバー。
ストレートに、ヨーコと出会った歓び、ヨーコへの愛を歌っている。
ブルースぽい曲調も特徴。
「Because」
のところのかすれた感じのリードとコーラスが、ライブ感あっていいなあ、と思います。

「Across The Universe」
ジョンによる大作。
67年頃にはすでに完成していたが、ジョン自身、なかなか納得できるテイクが出来ず、発表されずにいた。最終的に、ジョンが納得できたテイクはなかったと言われ、現在まで、多くのヴァージョンが発表されている。
歌詞はインド哲学に影響を受け、さらに松尾芭蕉にも影響を受けていたとも言われていて、東洋的な深い世界観が広がる。
「Jai Guru Deva Om…」
と繰り返し歌われるのはマントラで、
Jai(ジャイ)とはサンスクリット語で「〜を称える」「〜に感謝を捧げる」
Guru(グル)とはサンスクリット語で「(ヒンドゥー教の)導師。
De Va(デーヴァ)とはビートルズが傾倒していたインドの導師マハリシ・マヘシ・ヨギの導師名が「Dev」であり、また、マハリシの師もまた「Dev」と呼ばれている。ジョンは「アクロス・ザ・ユニバース」の歌詞の中で特定の個人名を使用するのを避け、「a」を付け加えて「Deva」とした。
Om(オム)とはすべての根源にある聖なる音であり、ヒンドゥー教で最も短いマントラの言葉。常に祈りの前または後に用いられ、「ォオームー…」と長く伸ばして唱える。
ここから、「我らが導師、神を称えよ」というような意味になる。

さてお分かりのように僕のハンドルネームの「jai-guru-deva」はここからとられてます。余談ですが。

多くのビートルズの作品が作詞に重きを置かれているが、この作品はその最たるものとも言え、ジョンは「本当に優れた歌というのはメロディがなくても歌詞だけでその価値を見いだせる」とまで言っている。

では、歌詞を載せておきます。

Words are flowing out like endless rain into a paper cup,
They slither while they pass, they slip away across the universe
Pools of sorrow, waves of joy are drifting through my open mind,
Possessing and caressing me.
Jai guru de va om

Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world

Images of broken light which dance before me like a million eyes,
That call me on and on across the universe,
Thoughts meander like a restless wind inside a letter box they Tumble blindly as they make their way Across the universe
Jai guru de va om

Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world

Sounds of laughter shades of earth are ringing
Through my open views inviting and inciting me
Limitless undying love which shines around me like a million suns, it calls me on and on Across the universe
Jai guru de va om

Nothing's gonna change my world,
Nothing's gonna change my world

降りやむことのない雨の中に置かれたコップの中の水のように 言葉があふれだしてゆく
それは目の前を通りすぎ 銀河をすりぬけてゆく
私の悲しみの心にさざ波をたてて
私にとりつき私を包みこむ
Jai guru de va om

何事も私の世界を変えることはできない
誰にも私の世界は変えられない

目の前で踊る百万の目のような壊れた光のダンス、それは私を呼び宇宙を渡ってゆく
しかしそれは郵便箱に吹きこむ落ち着きのない風のように
自分の道を盲目的にさまよい世界のかなたへと向かう
Jai guru de va om

何事も私の世界を変えることはできない
誰にも変えられない

大地の影で笑い声が響き渡り
耳を駆り立て、私を誘う
限りのない不滅の愛が私の周りで何百万個の太陽のように輝き 世界のかなたから私を呼び続ける
Jai guru de va om

何事も私の世界を変えることはできない
誰にも変えられない



さてこの曲はつい先月、NASAの設立50周年の記念として、北極星に向けて発信されました。

「Dig It」
ビートルズ最初で最後の、メンバー全員のクレジットが入った曲。
ボブ・ディランの名曲「Like A Rolling Stone」と何度か叫び、「Like the FBI」「CIA」「BBC」といった組織名が連呼される。そしてBBキング、ドリス・デイ(歌手)、マット・バズビー(マンチェスタ・ユナイテッドの監督・当時)といった著名人の名前の後、「Dig It!(さあ、やれ!)」と連呼するという内容。
最後にジョンが赤ちゃんじみた声で
『ジョージ・ウッドの「キャン・ユー・ディグ・イット?」でした。次は『ほら、天使がやってきた』というやつをやります』
と紹介し、次の「Let It Be」につづく。

「Let It Be」
ポール。
ビートルズがバラバラになって行くのを悲観していたポールの前に、亡母メアリーが現れ、「あるがままにまかせなさい」とつぶやいた、という体験にインスピレーションを受け、制作された。
その部分はそのまま

When I find myself in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom
Let it be

というところや

For though they may be parted there is
still a chance that they will see
There will be an answer
Let it be

というところで使われている。

ポールのピアノもさることながら、この曲は、間奏のギターソロが聴き所だが、アルバムバージョンとシングルバージョンとで大きく違う。
アルバムバージョンはフィルスペクターによるプロデュースで、リードギターはジョンによるもの。
シングルバージョンはジョージ・マーティンによるプロデュースで、リードギターはジョージ。

「Maggie Mae」
ビートルズの故郷リバプールに伝わる、トラディショナル・ソング。アレンジとしてメンバー全員の名前を載せている。
内容は小汚い売春婦に人目惚れした水夫の話。
ジョンは、キツいリバプール訛りでこの歌を歌っている(巻き舌で、舌足らずのように聴こえるのがそう)。
短い歌ながら、僕はこの歌好きです。

「I've Got A Feeling」
ジョンとポールの合作。
冒頭部分からのテーマ部分がポール。「Everybody had a hard year」からがジョン。
二人の最後の共作。
ポールの声は野太く、ジョンの声は澄んで聴こえる。ジョンの声がソロへと続く声質に変化していることが分かる。
非常にカッコイイ作品。

「One After 909」
ジョン。
実は1960年には完成していた曲で、シングル「From Me To You」に入れられる予定だったが没になり、10年を経てようやく日の目を見た作品。
たしかに50年代のロックの正統をいくような正にジョン好みの作品だが、やっぱり粗=初期の頃のビートルズが歌っているのとこのころのビートルズが歌うのでは全然雰囲気が違うんだろうなあ、と思う。僕は、62年頃の荒削りだけど躍動感に溢れるビートルズによる「One After 909」を聴いてみたかった。

「For You Blue」
ジョージ。
アコギによる、フォークブルースに近い作り。
曲の最初に実はジョージが小声で
「Queen says no to pot-smoking FBI members」
と喋っている(ボリュームをいっぱいに上げれば聴こえる)。
こういうかわいい曲、好きなんだな、僕は。

「Get Back」
ポール。曲のクレジットは「ザ・ビートルズ・ウィズ・ビリー・プレストン」となっており、キーボード奏者のビリー・プレストンがフィーチャーされている。ビリーはこの頃、しばしばビートルズのセッションに参加していて「五人目のビートル」とも呼ばれている。
2006年に死去し、その名を覚えている人もあるかも知れない。
この曲の最初にジョンが

「Sweet Loretta Fart, she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.…」
「いとしのロレッタ・ファート(=屁)。彼女は自分を掃除機だと思っていたけど、実はフライパンだったのさ」

とまたわけの分からないことを言っているが、これは

「Sweet Loretta Martin thought she was a woman, but she was another man.…」
「かわいいロレッタ・マーティンは自分を女だと思っていたけど、実は男だったのさ」

という二番の歌詞のパロエディ。

また、曲の最後にもジョンは

「I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.…」
「バンドを代表して皆様にお礼申し上げます。オーディションに受かることを祈っています」

とジョークを言っている。

こういう所を全てカットしてある「Naked」よりもやっぱり僕はこっちのアルバムのが好き。



そんなこんなでレヴューしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
僕は音楽には疎いものですから、音楽的というよりも、それぞれの曲にまつわるビートルズの小ネタみたいになってしまいましたが。
また、僕が文学部、ということで意図的に歌詞を重点を置いてみてみました。
洋楽と言えど、メッセージ性の強いビートルズにおいて歌詞は超重要だと思うので、聴く際は是非歌詞にも気を配ってみて下さいね。

ビートルズレヴューは次の投稿で、その他のアルバムを取り上げて最後にしたいと思います。それでは。
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by jai-guru-deva | 2008-03-14 12:32 | 今日知る音楽
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